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今回はステロイドのお話です。
副腎皮質ホルモンの薬剤、いわゆるステロイド薬は強力な抗炎症作用があり、あらゆる診療科において今日の医療に欠かせない存在となっております。
適切に処方・使用されれば、抗炎症作用として大きな効果がある反面、不適切な使用により様々な副作用があります。
今回は、その中でもステロイド投与が目にどのような影響を与えるのかをご説明いたします。
① 高眼圧症、緑内障
もっとも注意しなければならない副作用です。
ステロイドは、眼局所への投与だけでなく、全身投与、または塗り薬などの局所投与によっても、眼圧を上げる場合があります。
数十%の方で、眼圧の上昇を認めます。
また、お子様で特に眼圧上昇の頻度が高いです。
花粉症の季節に、ステロイドの点眼を他科で処方され、気がついたら緑内障になっていた、というお子さんもいらっしゃり、大問題となった事例もあります。
当院でも、他科にて目の診察をほぼせず、強力なステロイドを処方されていた方が高眼圧症、緑内障の危機に瀕していた例がありました。
ステロイドを処方される場合には、必ず眼科での診療、とくに眼圧測定を忘れずに受けていただくようお願い致します。
かゆみの症状のみで、「アレルギー性結膜炎、花粉症」と診断し、ステロイド点眼を処方される他科の先生が多く見られますが、是非、眼圧上昇のリスクをご考慮下さい。
② ステロイド白内障
比較的長期にステロイドを投与されている場合に起こります。
ステロイド白内障も進行して視力が低下した場合には手術が必要となります。
若年者でもステロイド白内障にはなりうるため、ステロイド投与されている方は、定期的な眼科受診をお勧めいたします。
他にもまだあるのですが、大きな2つの副作用に注意していただき、ステロイドを処方されている方はぜひ定期的な眼科受診をお勧めいたします。