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〜当院の白内障手術を支える2つの機器のお話〜
〜ARGOSとVERIONで 検査から手術まで丁寧に、正確に〜

みなさま、こんにちは。ご無沙汰しております。久しぶりのブログ更新です。
今回は、当院の白内障手術を支える2つの機器のお話です。
当院では、手術前の検査と手術中の位置合わせに役立つ機器「ARGOS(アルゴス)」と「VERION(ベリオン)」を導入しております。
この記事では、それぞれの役割を、詳しくご紹介していきます。
白内障手術は、濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の「眼内レンズ」を入れる手術です。手術後の見え方を考えるうえでは、濁りを取り除くだけでなく、その方の目に合ったレンズの度数を選び、適切な位置や向きに合わせることがとても大切になります。
「検査では何を測っているの?」「手術中はどうやってレンズを合わせるの?」そんな疑問に、イラストや写真を交えながらお答えします。
簡単にいうと、ARGOSは手術前に目を「測る」係、VERIONは手術中にレンズの位置や向きを「確認する」係、と考えていただくとわかりやすいと思います。

単焦点は遠方または近方など、主に一つの距離にピントを合わせます。図の多焦点レンズは、同心円状の回折構造で光を分け、複数の距離に対応します。
眼鏡に度数があるように、白内障手術で使用する眼内レンズにも度数があります。同じ年齢、同じくらいの視力の方でも、目の大きさや形は異なるため、適したレンズが同じとは限りません。
例えば、目の表面から奥の網膜までの長さや、目の表面にある角膜のカーブは、レンズの度数を計算するための大切な情報です。こうした目の特徴を手術前に調べ、「どの距離にピントを合わせたいか」というご希望も踏まえて、使用するレンズを検討します。
遠くを見やすくしたいのか、読書などの近くを見る作業を大切にしたいのか。検査の数値だけでなく、普段の暮らしについてお聞きすることも、手術の準備の一つです。

ARGOSは、光を使って目の長さなどを測定する検査機器です。あごと額を機器に当て、目の前の目標を見ていただきながら測定します。目に直接器具を触れさせずに検査できることが特徴です。
目の中には、角膜、水晶体、その奥の硝子体など、性質の異なる部分があります。ARGOSは、それぞれの部分で光の進み方が異なることを考慮して、目の長さを計算します。こうして得られた測定値を、眼内レンズの度数選びに役立てます。
また、白内障が進み、水晶体の濁りが強くなると、光を使った検査では測定が難しくなることがあります。ARGOSは、そのような目でも測定できる可能性を高める技術を備えています。ただし、目の状態によっては、別の検査を組み合わせて確認することもあります。
測定した数値に加え、医師がほかの検査結果も照らし合わせ、その方の目に適した手術計画を立てていきます。
当院で多く使用している多焦点眼内レンズでは、乱視が残ると見え方に影響するため、乱視への対応も大切です。
そこで役立つのが、ARGOSに搭載された手術計画のための計算機能です。
乱視には「強さ」だけでなく「向き」もあります。ARGOSでは、検査データをもとに、眼内レンズの度数や乱視矯正用レンズを合わせる向きを計算し、手術後にどのくらい乱視が残るかを予測します。近視・遠視・乱視をできるだけ目標に近づけるための、大切な準備です。
こうして立てた手術計画を、次に説明する「VERION」に引き継ぎ、手術中の位置合わせに役立てます。

※VERIONの術中画面。緑の点線が、レンズの向きを合わせる目印になります※
手術前に眼内レンズを選び、向きなどを計画したら、その計画を実際の手術に生かすことが大切です。そこで役立つのがVERIONです。ARGOSで得られたデータをもとに作成した手術計画を使い、顕微鏡の視野に目印を重ねて表示します。術者が顕微鏡をのぞくと、写真のように「この向きにレンズを合わせる」という案内(ガイダンス)が見えます。
医師は実際の目とガイドを確認しながら、眼内レンズの位置・向きを合わせていきます。
VERIONは、いわば、手術前に立てた計画を手術中に実行するための「ナビ」のような役割です。

乱視とは、主に角膜などのカーブが方向によって異なるために、物がぼやけたり、重なって見えたりする状態です。白内障手術では、目の状態に応じて、乱視を軽減する機能を持つ眼内レンズを選ぶことがあります。特に多焦点眼内レンズを使用する際は、乱視の程度に応じ、乱視矯正レンズを選択することが多いのです。
この乱視矯正レンズは、決められた向きに合わせることで力を発揮します。眼鏡を傾けると見え方が変わるように、乱視矯正用の眼内レンズも、向きがずれると乱視を軽減する効果が弱くなってしまいます。
さらに、人の目は、検査で座っているときと、手術のためにあおむけになったときで、わずかに回転することがあります。VERIONは、目の血管や虹彩などの特徴を手がかりに、その回転を考慮したガイドを顕微鏡の視野に表示し、レンズの向き合わせをサポートする機器なんです。

眼鏡が全く不要になる、というわけではありません。手術後の見え方は、眼内レンズの種類や、角膜・網膜などの目の状態によっても異なります。これらの機器を使用しても、度数のずれや乱視が必ずゼロになるわけではなく、手術後に眼鏡が必要になる場合もあります。
多焦点眼内レンズでは、眼鏡を使う機会を80%程度減らせることが期待できます。ただし、選ぶレンズや目の状態、作業する距離によっては、小さな文字を読むときや、非常に近くを見るときなどに眼鏡が必要になる場合もあります。
ARGOSで目を詳しく測り、VERIONで手術中の眼内レンズの位置合わせを支える。それぞれの役割を組み合わせて、目標とする見え方に近づけることを目指しています。
当院では、これらの機器による詳しい検査と医師の診察を組み合わせ、一人ひとりの目の状態と生活に合った白内障手術をご提案します。「どのくらい見えるようになるのか」「自分にはどんなレンズが合うのか」など、気になることは診察の際にお気軽にご相談ください。
多焦点眼内レンズは日々進歩しています。その機能を生かすためには、詳しい検査や適切なレンズ選びに加え、医師の技術と経験、手術後の経過を丁寧に診ることも大切です。
当院では、手術前に院長が丁寧にご説明することを心がけ、そして、経験豊富な院長がすべての手術を執刀しています。
白内障について気になることがございましたら、ぜひお気軽に当院へご相談ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。